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still remain the same / NATIVE SPIRIT (R)

native.exblog.jp

シールドマーク 楯印 

ここのところの取材ではCangleska Wakan (Changlishikawakan)
チャングリシカワカンと発音するラコタ名を使うようになってきてる。
そこでこの名前とそれを直接表記できる盾印について
書いてあった文章を上げてみる。

Shield mark of Changlishika Wakan

よくインディアンが丸い盾を携えている絵がある。
そこには彼自身の何かを表す模様が描かれている。
鳥、雷の鳥、バイソン、玉模様、弾丸をよける熊、
それぞれがそれぞれのシールドを携えていた。
実はこれらの絵柄は気まぐれや思い付きで描いたものではなく
なにがしかを認められて「授けられた」ものだそうだ。
自分で好き勝手に思いついたものを作って、
これが自分のシールドだと主張することはできないものだったという。

1988年、一人で仕事を始めるときに
ただ、ものを作って売るのではなく
作品のコストには含まれない、
金銭で売買することのできないなにかを込めたいと思った。
詳しくは、重複するからメッセージ/旧コラムページから汲んでいただきたい。
そうしてNATIVEと繋がり、そのメッセージを持ち帰るための旅を始めた。

祖父が亡くなったときの葬儀の準備で
始めて意識的に自分の家の家紋を見る。
「丸に一枚の鷹の羽」
棺桶に横たわる祖父の前
静かな静寂の中で雷に打たれたように衝撃的だった。
インディアン流に解釈すると
丸は めぐる命の世界
鷹の羽はメッセージとちからを表すことができる。
まさに、自分が目指しているものはもうすでにあり、
最後に祖父が残してくれたメッセージのようだった。

「鷹の目になって得たメッセージは
落とした羽によって伝えられ世界を丸くする」
これをデザインして、
落ちてくる鷹の羽を光の輪で囲った。
A HAWK FEATHER」と呼ぶNATIVE SPIRITのマークの始まりだ。
必然、そうなることは決まっていた。

当初、僕はこれをシールドマークと呼んだけれど
後にこれが単にマークとしか呼べないものだったと知った。

旅を続け、多くの家族に迎えられながら
ラコタのミラパシネのもとで時間を費やすようになった。
そしていつもと変わらないある日、名前を授けられる日が来た。
チャングリシカ ワカン、そう名づけよう。輪の力という意味だ。
おまえは旅を続けて和を取り戻そうとしている
。」
ミラパシネとはいろんな話をしたけど、
特に「和を取り戻そうとしている」と具体的に話したことはない。
でも、それこそがその時点で約10年、
この旅とNATIVE SPIRITを続けてきた理由だったんだ。
ミラパシネは見事に僕の意思を理解し、栄誉に余りある名前を授けてくれた。

そのときミラパシネは一枚の絵を描いていた。
冬景色を書いていたはずの絵が
一晩明けて一気に夏の夜明けの風景に描きかえられ、
そこに祈りを捧げる馬に乗った戦士と妻と赤子が描き添えられた。
トカヘとワンブリ(妻と娘の名前)と、これはおまえたちの姿だ。
おまえにはシールドを持たせてやろう

そう言って、赤と黒の輪で白抜きの中に黄色い稲妻を描いてくれた。
まさに、ストレートに「輪の力」を意味する具象ができあがった。
A HAWK FEATHERのマークと同じ意味になる。
これは伝統的に正式に授けられた云わば公認のシールドマークだ。
身が震えるほどの名誉だ。
シールドマーク 楯印 _f0072997_137268.jpg

かつて征服される前のインディアンは自分の名前を自らは口にしなかった。
「風に盗まれる」からだ。
時代は変わった、戦い方もかえるべき時がきた。
チャングリシカ ワカン、ことあるごとにその名前を口に出せ。
それがおまえを強くする。
そして、ミラパシネが名付け親だとも言って欲しい。
それが私の名誉だからだ。
その名前を口にするとおまえが強くなり、私も強くなり、
それを聞いた他の誰もが強くなる


だから、もういちどここで宣言しておこう。
僕の名前はチャングリシカワカン、
輪に稲妻がそのシールドマーク
ラコタのミラパシネから授けられた。 Ho!


備考
絵文字として、羽と稲妻はそれぞれ「ちから」同じ意味を表すことができる。
ここで言う「ちから」とは「物理的な力」より「摂理」に意味が近い。

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by cwdye | 2006-07-10 15:45 | culture 文化
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