人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

still remain the same / NATIVE SPIRIT (R)

native.exblog.jp

地の果てで

他でも書いたとおり、
インディアンの儀式に撮影や記録はない。
合わせて彼らの信仰や歴史にまつわる「土地」でも
撮影が禁止されていることは少なくない。
日本でも神社仏閣、美術館なんかで
撮影が禁じられているところも多いけど
それとは事情が違う。
普段からの祈りと信仰の集中力を保つためだったり、
結果的に観光化が行き過ぎるのを止めることを期待してもあるだろう。
僕らも彼らの文化が好きで入っているわけだから
そういう場所や場面で写真を撮りたいとも思わないし
カメラを出すべきでないことは最初からわきまえている。
だからトカへが撮る場面や場所も当然そういうところとは離れている。

これはある場所の撮影が解禁された話

今は故人、ラコタのグランドファーザーに初めて会った頃、
いいところに連れていってやると言われて
パインリッジの中車を走らせた。
アクセスしづらい場所にあって、当然観光地じゃない。
その場所こそが、
合衆国軍の侵略とウンデド・ニーの虐殺を逃れた
オグララ・ラコタの生き残りが
決死の覚悟でたどり着いた地の果て、
騎兵隊も深追いはせず、ラコタが最後に「しがみついた土地」。
プレーリー・ウィンド(草原の強めの風)に吹かれながら、
写真に撮ることなんか考えもせず
僕らがその風景を心に刻もうとしてたら
グランドファーザーがカメラを取ってきてそこを撮れと強く勧めた、
しかもその写真を使うことまで。

パインリッジのラコタでの事件をベースに作られたある映画の中
そういう場所がいくつか出てくる。
その映画のロケーション・コーディネイターを勤めたのが
元俳優のグランドファーザーだった。
その映画の中では見事に「似てる場所」をシンボリックに使っていて、
知っている人ならば現地ではないことにも気がつく。
とても良くできてた。
映画ほど巨大な話じゃないから、
トカへと僕には撮影と写真の使用を勧めてくれたんだろう。
撮っていいと言われても、
最初から写真のことなんか考えてなかったから、
積極的にはなれなかったけど
グランドファーザーの言葉通り、意思も汲んで
写真を撮って、後にその写真は利用させてもらった。
ただ、今までその写真がどれで、どんな場所か詳しく解説したこともないし
これからもしないだろう。
サイトのどこかにもある写真だ。

まぁ、僕らがこんな風にわきまえてるから
この撮影でその場所が侵されることはないし、
僕ら自身を含めて誰の祈りの妨げになることもない。
地の果てで_f0072997_11144911.jpg

(この写真も関係ない場所、ないといってもなくもないか)
by cwdye | 2007-11-25 11:06 | culture 文化
<< 26日 本日 犬も歩けば >>