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still remain the same / NATIVE SPIRIT (R)

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デマリ / ターコイズ (追記2013)

11/12の記事の中で紹介した写真で思い出した
今までにあまり出てきていない石の名前が出てきたから
珍しくこのカテゴリreference 参考で紹介してみよう。
希少な宝石ターコイズとはいかないから
ビズビーやランダーブルーのように取り立てて語られることもない。
地味な存在だけど綺麗で個性的なグレードが有り得る種類だ。


デマリ、デモリ、ダマリ、ダモリ、
それからダメイルなんていう、多分日本国内のみ
アメリカでは絶対に聞けない発音の表記まである。
デマリを扱う現地人によってもその発音は微妙に違う、
それを日本でカタカナにしようとすると
どの表記が近いかもなかなか決まらないんだろう。

しばらく英語の中に身をおくと
英語のカタカナ表記ほどナンセンスなものはない
英語だけでなくどこの国の言葉でも
異国の言葉を文字で表音するには限界があることを痛感する。
よく「人種の坩堝」なんて表現されるアメリカは
文字通り多くの異国から集まった移民が作った国だ。
それぞれの家、世代によって言葉の癖はそれぞれに個性的だ。


このデマリという名前を付けられた石、
デマリ・ターコイズと呼ぶことが少なくないけど
デマリの多くに見られるのは
ターコイズの親戚のバリサイトの特徴。
希少で珍重されるハイグレードからトップグレードでは
カルコサイダライトに似た特徴を持つように見える。
実際のところその部分がどの鉱物に属するのか
今のところ特定されていない。
(想像では、本を書いているアメリカの友達が分析中で
来年には判るんじゃないかと思っている)

人間は見つけた鉱物に名前をつけたけれど
多くの鉱物が何千万年以上もかけて出来た結果で
それぞれの土地の偶然の絡み合いが作り出した必然に
母である地球の自然の奇跡が凝縮されてる。
ちょっと大げさに表現したけど、
つまり僕が得意にしてるターコイズをとってみても
鉱物学で言う「成分のゆらぎ」があって一定じゃない。

デマリ・ターコイズと呼ばれることも多い、デマリ、
ブルーはなく、グリーンでしかも個性的な色だ。
安価で多くあるバリサイトでグレードが低いものでは
オレンジに近い茶色のマトリクスがからんで
豹柄のレオパード・ジャスパーのような模様の石もある。
ブルー系を含まないグリーンは軍隊で使う
オリーブ~、ディープ~、ダーク~といった感じの色ばかり。
スパイダーウェブを持った石も多く、
整ったタイトウェブで暗いオリーブ色のものは
まるでランダーブルーの対極にあるような石だ。
1998年頃までは安価で少なくなかったけど
トップグレードは残念ながら近年殆ど見ていない。
真緑から見事な澄んだ黄緑色になるものが極希少で
究極の澄んだ黄緑に完璧なスパイダーウェブを持った石を
かつて2粒扱うことができた、それきりだ。

緑系のみで希少な部分も含む石だけど、
アップルグリーンやライムグリーンを出すファウスタイト
その代表と言えるキャリコレイクとは違う見た目を持つ。

鉄を起因とする緑を持つファウスタイトの
キャリコレイクの緑とは違うデマリの緑について
ブラザーの知人の鉱物学者の初見によると
6500万年前の有機物が起因しているだろうという
今のところその学者のファーストインプレッションで
公式な分析結果じゃない。

大方はキャラあたりの末端300円~1000円程度が多く
4000円以上あたりからスパイダーウェブ
6000円あたりからそのハイグレード
10000円以上になると相当希少でお目にかかることはできない。
かつて扱った2粒のトップグレードは
キャラ20000円にもなる。

但し一部からばら撒かれているデマリについては
エンハンスト加工済みの疑いがあると見ている。

先に表音をいくつもカタカナで書いたとおり
いろんな発音に聞こえるデマリだけど、
Damali, Damole, Damale,,,という具合で
厄介なことに人によってスペルも違う。
耳で聞いたそれぞれの音を聞き取りで表記しているからだ。
聞き返してスペルを確認、一番信憑性が高いと思ったのが
Damali、カタカナでデマリが近い表記。
イタリア系アメリカ人のデマリさんの名前で
その人のランチ(runch)で70年代に掘られたまま
その名前が口頭で伝わるときに表音、表記が曖昧になった。
デマリ氏本人の消息については聞いたことがないから
今度、ブラザーに聞いてみよう。

日本で、お客様の口からダメイルという表音を聞くことがある。
どちらかの業者さんが日本に入れたんだと思うけれど、
Damaleと表記されたデマリを
発音を聞かずに英語読みするとダメイルになる。
恐らくアメリカで活動せずデマリという発音を聞いてない業者さんが
書面のやりとりだけで買い付けたものを
英語読みしてるんじゃないかと思える。
もしくは「本物のターコイズの専門家」とつながりが薄い
多くの自称ターコイズの専門家ならアメリカ人でも
間違える人は少なくなさそうだ。

ターコイズの話は少しだけどカテゴリreference 参考に書いてる。
あとはブログ内検索で。

「自称ターコイズの専門家」はサウスウエストのそこら中にいる。
ネット上やe-Bayオークションでも多く
試しに追跡してみたら、下らない結果に笑えたよ。


追記 2013
2008年当時 上に書いた通り
「デマリ」って発音に「Dameli」っていう表記を採用してたけど
近年「Damele」っていう表記で落ち着いた。
ところで肝心なモノの方は90年代後半にいいものが出て以来
時間も経ったし滅多にいいものはなくなってる。
デマリ Tp.Grd.,Ex.Grd.
デマリ兄弟ブレスレット

ターコイズの名前 その他ターコイズについての解説は
カテゴリreference/参考

by cwdye | 2008-11-14 12:35 | reference 参考
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