パウワウは儀式とは違う。
ネイティブスピリットのウェブサイトにある
culture & episodeの
cuture4「パウワウ」の書き出しだ。
"grand entry" (C) Tokahe-Naji-Winn / オグラナオコ 撮影
大きめの画像はトカへ・ナジ・ウィン・フォトギャラリージャックアス・チャーリーや
ナイスなタッドの長兄
ラコタのビッグ・ブラザー、ボビーは
パインリッジから車で4時間、400kmくらい離れた
シャイアンリバー・リザベーションに住んでる。
僕が家族を残して一人で渡米してた年だから2003年の夏
ボビーを訪ねると
シャイアンリバーリザベーションの町
イーグルビュートのパウワウに行ってるエミー(息子)を
ボビーにつきあって探しに行くことになった。
イーグルビュートのパウワウはでかい。
パウワウグラウンドをとりまく会場で
ロデオにカーニバル他いろんなイベントが重なってる。
まず、キャンプサイトを見に行くと、
ひしめきあって並ぶテントの間を歩いてまわった。
なんとかエミーのテントを発見、
シュラフだけの軽装備を残してもぬけの殻。
カーニバルをつっきりながら、
途中オートバイが当たるクジを買って
ロデオ・グラウンドでも見つからず
ついでにロデオ見ながらしばらく休憩。
それから、パウワウグラウンドに行った。
入場料のゲートをボビーは悠々と
ブレーク、
料金を用意してた僕は立ち止まった。
「先に行った彼は君のつれだろ?」
「ああ、そうだよ。
でも、
入場料のことは彼に聞いてくれ」
ゲートの係りは見送るだけで
誰もボビーの背中を追おうとはしなかった。
かつて
AIM*のメンバーで
ウンデッド・ニーの蜂起*に参加した
2メートルの屈強なラコタ、
そのイメージはまるで
クレイジー・ホース*そのもの。
若い頃は誰も手が付けられなくなることがよくあったのは
今のボビーを見てもすぐわかる。
スタージスのバイカーが見上げて避ける男で、
タフガイ気取りで混んでるスタージスではボビーの後ろを歩くに限る。
人ごみが割れて道が出来るんだ。
でも、パウワウのゲートをブレークするボビーを
誰も止めなかったのは、ボビーが怖いからじゃない、
その才能を生かして
ラコタのために戦ったことを
みんなが知ってるからだ。
次の年の夏
僕の家族とボビー一家は
ラピッドシティのパウワウに出かけた。
ラピッドシティのパウワウは
シティホールのアリーナを使うインドア・パウワウだ。
ボビーは入り口近くの外に並んだ椅子に座って
次々に入っていく知り合いに挨拶してるだけ。
アリーナの中に入ろうとはしない。
実はボビーの
主義なんだ。
「なんで自分達の文化に金を払わなくちゃいけないんだ?
インディアン同士で金をとるのも、とられるのも、ナンセンスだ」だからボビーはパウワウに行ってもグラウンドには入らない。
ゲートをブレークしたのは息子のエミーを探すためだけで
入場料をとるパウワウグラウンドには用がないからだ。
トラディショナルなインディアンがここにもいた。
厳密に言うとインディアンでもスーでもなく、ラコタと呼ぶ。
その中にあってボビーは ラコタの中のラコタだ。
*印の注釈は時間がないから後日思いつきで書き始めた
パウワウカテゴリー
culture文化で韻を踏むように続けてみた。