平原の必需品/いのちを大切に 1から
続く
左右の角の間約60cm、角の先端から鼻先までも同じくらい。
少し広い額とこの角の大きさと形は…
ウシじゃない、アメリカ野牛、バイソンだ。
当然、保護された野生じゃなくて
サウスダコタで食肉用に牧畜された
その証明書がとれるからここにある。
僕らもラコタの土地にいる間は何度となく口にする。
とはいえウシほど一般的じゃないから贅沢品ではある。
家畜化しても野生の血が濃いバイソンは飼い慣らしにくく
その分その肉はローファットで身体にもいい。
味も野性味があって肉臭いから肉好きにはいい。
かつて無駄なく生活の中で利用されたように現代は装飾用に代わって
肉を頂いた残りのバイソンはラコタのクラフト用に
皮は勿論のこと脚の先から尻尾まで利用される。
この骨を見るたびに思い出せ
タタンカ(バイソン/ラコタ語)それがやつの名前だった。
(映画の名台詞のパロディ)
ようするに自分が命を食べてることを
忘れずに思い出させて感謝するための形代にするといい。
日本の神棚みたいに
どこのラコタの家にでもあるもんじゃない。
現代はただの壁飾りになった。
ただ、それじゃ味気ないから
この骨が生きていたことを少しでも思い知るために
飾るよりまつる気持ちをもって
生きている自分の感謝を伝えよう。
うちもワンブリやキミミラ(子供)たちに
壁にかかった骨にごちそうさまって言わせることがある。
昔、ラコタが狩りをしてたころ、
隅々まで利用できるところを無駄なくいただいた後
白いバイソンの精(ラコタを導いた)に祈って
あとは平原に残された。
まるで捨て置かれた廃棄物のようだけど
現代と事情が相当に違う。
鳥、虫、バクテリア、植物を養って地に帰ったんだな。
「ヒトに狩られたバイソンは
(いのちを繋ぐために)来てくれたバイソン」
一頭のバイソンのいのちはそうして
多くのヒトや動物や植物にまで継がれている。
だから僕たち赤い道を生くヒトは
食べた動物たちの革もまだ生きてると思ってる。
それを意識し続ける日常の行動が祈りの連続。
命があるのは動植物だけでなく
総ての存在が生きてると考えてる。
その姿がその命の形を表してるってことなんだ。
石はそれがそのいのちのかたち
水もそれがそのいのちのかたち
スピリチュアルもミラクルもトリックもない。
第六感がなくても
五感で充分接することができるスピリットのかたちだ。
写真のバイソン・スカルは
「壁掛け」として金銭で売買してるものだから
今のところは写真に撮ってもかまわない。
でも、もし持ち主が決まって
その人がこの骨を通して祈り始めたら
撮影したりする俗物扱いはしないほうが
ご自身の祈りが深くなっていいと思う。
祭器になっても壁掛けのままでも
バイソンが残したスピリットのカタチをそこに見て
今までに食べたいのちに祈るんだ。
合掌
*発注を頂いてから現物を確認してお届けできるまでに
シカゴでの書類の申請と取得
更に日本での通関は大抵いつも手間取って
かなりの時間とお金がかかってしまう。
*個体差がある。
写真の現物は福岡のお客様のもとへ旅立った。追加リンク平原の必需品/いのちは大切に 1ごちそうさまでした/いのちを大切に 2草食、系!? /いのちを大切に 3アリゲーターダンディ/ インディアンジョークバイソン狩り
デイブ お前もか/hate guns
culture文化参考;
Report 滞米記
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作品に関する参考;
作品販売店
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reference 参考