「ハイウェイを西に20マイル、
南下する道を折れて5マイル走ればうちだ」

知り合ってから10年くらいになるか?
サンタフェのショウで会った彼は
僕のラコタの家族達と同じ地元にいる。
毎年家族を訪ねながら、彼の家の近所を通り過ぎては
あてずっぽで家を探して見つからなかったり
携帯の電波がなかったり、留守電だったりで
地元ではニアミスし続けてた。
今回は電話が通じる地域で出発前に行き方を聞いた。
簡単な説明だけでも
インディアンの個人宅を見つけるのは得意だ。

トリップメータをチェックして20マイル走ると
南に延びるグラベル・ロード(砂利道)があった。
トランスミッションのスイッチを四駆に固定
そこから更にトリップメータで5マイルをチェック
現れたのは人影のない農場。
クラクションを数回鳴らすと気づいて迎えてくれた。
「やっとサウスダコタで会えたね」
家を訪ねてからスタジオを見せてもらう。
アートショウの準備で製作中のものを見て歓談。
買い付ける在庫もないけどオーダーする予定もない。
収穫はゼロ。

残ったのは僕の手に捕まったトノサマバッタらしきでかいバッタの画像。
向こうに写ってるサンダルの足がアーティスト。
半日を潰して何も無しだけど
仕事らしい動き方をせず
じっくり時間をかけて距離を狭めて
このリレーションシップがいつか実を結ぶ
こともあるかも知れない。