滞米中の更新 Absolutely No Camera...を
カテゴリ分けのために
culture文化に分類した。
Absolutely No Camera...ラコタのブラザー・ボビーの双子の息子の一人
故グランドファーザー・テッドの名前と同じテッドは
平原インディアン ラコタの故郷
サウスダコタのシャイアンリバー・ラコタ・リザベーションを
遠く離れたニューメキシコの砂漠の中
プエブロインディアンのガールフレンドのもとにいた。
オグララ・ラコタと
サンxxxx・プエブロ*ハーフの子供をもうけてから何度となくサンタフェの町で会って
写真家の
トカヘが子供たちの記念撮影をしたこともあった。
ある日テッドの両親であるボビーとマリーは
孫の顔を見るのとサンxxxx・プエブロがどんなところなのか
平原のサウスダコタから遠路遥々訪ねてみることにした。
それはそれは普通に旅行気分だっただろう。
普通の
非インディアン*の旅行者と違ってたのは
平原とプエブロの文化の違いがあるだけで
訪ねていくボビー達も同じインディアンだったことだ。
マリーは普通にカメラを手に車を降りた。
運が悪かった上そこまで?というかそこは
何がなんでも撮影禁止のプエブロ
トライバル・ポリス*が来てまさかの逮捕
留置所に拘留にされてしまった。
同じインディアンとはいえ種族が違う。
身長が高くない砂漠のインディアンのプエブロで
大柄な平原インディアンのラコタで
しかも2メートルのボビーは目立つ
アドビの窓から監視する目が通報したのかも知れない。
懲役もしくは罰金1500ドル…。
『息子のテッドが住んでるプエブロだぜ? だから判事に
「孫の顔を見に来たんだ」って言ったら
「テッドの籍はサンxxxxにあるのか?」って言うから
「
それは、ない*」って答えたら
「じゃ、だめだ」なんてあっさり言いやがって
「孫との血のつながりやらなんやらで延々抗議したら
それでもマリーを一晩拘留した上で
しぶしぶ罰金1500ドルを半分にしてむしりとりやがった。
もうサンxxxxなんか二度と行くもんか』
サンxxxx・プエブロは
悪いわけじゃない祈りの文化と日常生活のプライバシーを守るためには必要なこと、
どこのプエブロにもそういう決まりが確かにあるにはある。
僕が借りてるアングロのブラザー・ジムの家もプエブロの中で
プエブロの敷地の入り口には
「なにがなんでも絶対に撮影、録画、スケッチは禁止」って
それはそれは
強く書いてある。
にしても部族は違えどラコタも
同じインディアンしかも
サンxxxxの孫と息子の血は繋がってる充分に
情状酌量されるべきじゃない?
批判はしないけどボビーとメリーの怒りには同情する。
そんな具合だから地元のように歩き回る僕等も注意してる。
観光客様方は充分にご注意されたしなんである。
撮影許可取得済
撮影 Tokahe-Naji-Winn 小倉直子©その後テッドはサンxxxx・プエブロにはもういない。
ガールフレンドに追い出されてサウスダコタのパインリッジ
グランドマザー・ドナの元で祖母や父を助けながら暮らしてる。
今回2010年の夏季渡米で訪ねたとき
サンxxxxに離れて暮らす子供たちを重ねあわせて
同じ年頃のうちの
ワンブリと
キミミラを相手に
楽しく遊んでくれたあとの別れ際
ワンブリの首にビーズのネックレス、
キミミラの腕にクイルのブレスレット、
それに僕の首にもメディスンホィールのペンダントをかけてくれた。
ボビー譲りの長身の巨体でハグしながら子供たちを懐かしんだ。
16年くらい前初めて会ったころは14歳くらいだったけど
今はしっかりオトナになったブラザーだ。
サンxxxx・プエブロ(特に名を秘す)=
サンはスペイン語で言う英語のセント、日本語の聖。
スペイン人にキリスト教化を強いられたプエブロ各部族には
サンを冠した部族名が複数ある。
非インディアン=インディアン以外の人種。
トライバル・ポリス=部族警察
戸籍=
インディアンは書類上の結婚に馴染まない上
今時の若者であることもからんで籍は別々のままだった。
観光=
儀式や聖地を除く、祭りや風景は
フォトパーミッション(撮影許可)を買える場合もある。
カメラを出す前に、諦める前に確かめてみるといい。※インディアン以前のコラムでもおことわりしているように
ネイティブアメリカンという言葉は多重差別になるため
彼らの多くが認めるとおりインディアンという呼称を使ってる。
丁寧に尊敬、尊厳を持って話すときは
ラコタ、ディネ(ナバホ)等部族名で呼ぶけど
ここでは一般の読者向けにインディアンという呼称を多く使う。
参考カテゴリ
culture文化