これまでのターコイズの予備知識に関する
参考は以下の通り。
グレードの話スモーキービズビー/例グレード/例・モレンシ「宝石ターコイズ」/用語説明/言葉の定義 1無添加ターコイズ /用語説明/ 言葉の定義 2ハイグレード・ターコイズ/ネイティブスピリット/グレード+硬度all about Turquoiseランダーブルー/宝石グレード/例ランダーブルーが好き?/参考エピソード真贋例/偽ランダーブルーの話百聞は一見にしかず/見方graded グレード分けこの20年の間に何十万カラットか想像できないほどのターコイズと
何トンもの採掘された原石を見て関わってきたおかげで
僕はターコイズを
グレーディングすることが出来るから
以前
アメリカ滞在中に
gradedでお見せしたように
カット後 市場に出る前のターコイズのグレード分けを任されることがある。
そこで今回はグレードに関わる色と光の重要性について少々
(詳しく書くために前後で内容が重複、乱文で申し訳ないけど
つめるほどの時間はかけられない、乞うご容赦)
ネイティブスピリットでは 予てから事あるごとに
「コンピュータ上の画像」や「印刷物での見た目」は鵜呑みにせず
「肉眼で実物を日中に見ること」を強くお勧めしてる。
妻で写真家の
トカヘはターコイズを撮る技を習得してるし、
フリーアンドイージー誌は他と比べて格段に印刷がいいようで
かなり好ましい状態に再現できてはいる。
写真がヘタな僕も最近は選んだカメラが当たりだったお陰で
それなりに雰囲気のある写真をお見せできるようになった。
とはいえ雰囲気の再現に近づけた写真が撮れたとしても
そこはそれ
「雰囲気」でしかなくその心もとない「雰囲気」はそれを見るPCの各社のモニタで変わる。
僕の身近にある新旧各社5台のPCのモニターの見せる色は全部違う
新しめの1台は渡米中に携行して更新に使ってるやつだけど
高画質を謳う液晶がかえってひどくまやかしの色を見せるほどだ。
だから渡米中の更新でターコイズの画像をアップしてたとしても
写り具合の確認は出来ずにそのまま出してるのが現状だ。僕等が見てる画像は
現物(グレードやバリエーションの個体差)
x撮影条件《自然光or人工光(蛍光灯各色or白熱灯各色)》
x《各社各種カメラ(アナログ<ネガorポジ>+スキャナーorデジタル)》
x媒体《各誌印刷or各社モニタ》
これだけの条件の違いというフィルターを通した結果だ。
左から; 電球、昼白色蛍光灯、ハロゲン球+昼白色蛍光灯、PM1:00屋外日陰
ソニーサイバーショットDSC-H10 8.1mp マクロ設定、ストロボ不使用
撮影後画像を縮小、トリミングとコピーを2回ずつした。
これに皆様のご覧になってるモニタの個性が加わる。
サンプルのターコイズは
マトリクスターコイズとスパイダーウェブターコイズの2種類
それぞれのトップグレードから2バリエーション肉眼で見る実物の
宝石ターコイズは
ジュエリーと併せてそれ自体立体物なのは言うまでもなく
宝石ゆえの高いグレードの品質は表面から光を通して奥行きを見せる。
硬度が高く高品質で高グレードのものは
いくらか半透明になるため光の色の影響も受けることになる。
室内での電灯の光は自然光に程遠い人工の色だから
肉眼でも本当の色を見ることはできない。
だから日中の自然光が必要になる。
(スタビライズド,エンハンスト等の安定加工でも
透明度を人工的に再現できる個体はあるから要注意)ネイティブスピリット独自の厳しい
グレード分けで
細かい評価基準を大きく分けて基本から順に挙げると
1、石としての硬度があること
2、色の質とその発色(見え方)
3、混じりこむ母石=マトリクスの量や状態が作る模様
4.それらのバランスが見せる「その鉱脈らしい見た目」つまり
その鉱脈の「王道の見た目」=「クラシック性」を醸しているか
という段階でグレーディングしていく。
3までクリアできた石はミドルグレード=上質、高品質なターコイズ
4をクリアできると最上級の個性を兼ね備えるハイグレード以上になる。
2番目に挙げた「
色」は
その段階だけで完結せずハイグレード以上に分けられた中でも
その個体が持つ色のゆらぎによって
バリエーションとしてのカテゴリ分けを経て
相対的な量からハイグレード,トップグレードの中での段階に分ける。
ネイティブスピリットの
グレード分けは
個々のターコイズ鉱脈の採掘量全体から言うとおおかた
ハイグレード=1%、トップグレード=0.1%以下だから
ハイグレード以上の分類は重箱の隅を突付くような分け方になる。
このグレード内での段階はお客様には判別できないほど微妙な差異だ。
グレーディングの基礎段階から
ハイグレード以上を分類する最終段階まで一貫して
「色」は最重要な条件、基準のひとつだ。
「色」を見るには地球上で一番平均的な光=日中の自然光下。
*自然光も土地と季節によって違いがある。
*厳密にいうと直射ではなく間接光がいい。雲はいいフィルターになる。よくある
偽ランダーブルーの話を紹介したときにも
40ctsのランダーブルーと言われた石を
室内の電灯の光では細かいところまで見えないから
一晩預かって翌日自然光の下で見てから返したくだりがある。
ギャラリーもその雰囲気を作るためにスポットライトを多様する。
結論から言うと自然光を再現できる人工灯は無い。
電球の下で見るターコイズはその電球の種類にもよるけど
おおかたの電球が持つ黄色味が青に緑味を帯びさせて見せてる。
昼白色の蛍光灯も緑の波長を含むようでいくらかましなだけだ。
具体的に書くと、
ケース内側の照明には黄色味を減らした昼白色の電球、
スポットライトに黄色味を抑えたハロゲン(わずかに抑えた程度)
電球で明るくしようとするとどうしても黄色味が増すから
素直に一部に昼白色の蛍光灯を使ってる。
(LEDの照明も出始めたけど今のところまだ使えそうにない)
入り口の窓から入るわずかな外からの自然光がなくなる時間には
これらの人工の光に完全に頼るわけで
ターコイズの色を見極めることはお勧めできなくなる。
重ねて「日中の自然光は絶対必要条件」て書いてるけど
今年2010年夏の猛暑の炎天下では太陽光が強く黄色味がかって
ニュートラルとは言えない色だった。
そこでさらに細かく贅沢なことを言えば
「薄曇りの日」か「乾燥した冬の日差し」がベストだけど
そこまで贅沢言うと見れる時間が限られすぎるから
「日中の自然光」ってことで良しとしておこう。
何度もギャラリーに来訪いただいて
既にいくつかの宝石ターコイズを所有してる方は
様々な条件下でのターコイズの見え方の違いを体験して覚えて
「割り引いて見る」ことができるようになってくるけど
初めて選ぼうとするお客様には夜はお勧めしない。
上級者になればPCのモニターで見る画像からも「割り引いて」
実物を想像することもできるようになるかもしれないけど
これには先に書いたように撮影条件やモニターの違いもあるから
当たり外れの差が大きくなる可能性が高い。
ただし
ネイティブスピリットのターコイズ コレクションは
世界に名だたる名品だから(言い切るよ)
画像より実物の方がすごいばかりで劣ることはない。
少ないインフォメーションで選んでも間違いないものなんだけどね。
お任せの依頼があれば
僕が選んで差し上げることもある。
リンク追記
ターコイズの色と光 ネクストジェネレーションにつづく
地方のお客様で現物を見たい方はご相談いただければ
取り扱い販売店を通して対応できる。
参考;
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