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still remain the same / NATIVE SPIRIT (R)

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オリジナル フィニッシュ サドルレザー pt.3 

「いい材料がないから良い物ができないって言うな、
どんな材料でもいいものが作れなきゃだめだよ」
究極の重いお言葉
新宿のKビルの1Fで
ウエスタン系ではなく
普通の婦人物のバッグを1点もので作ってた
革職人の巨匠のお言葉だ。
しかも
「全部ここで作るんだよ」
狭い店内の奥にある45㎝ x 65cmくらいの裁断台を含む
1畳ほどの作業スペースが工房の全て。
店内にある様々なデザイン、作り都合のバッグが
たったそれだけの場所で作られてる。
確かに小物ではある、
とはいえ荒裁ちの段階から完璧な採り都合が
見えてるから出来る熟練の匠だ。

なにしろ流行らなかった1980年代半ば、
数少ない革職人で身近に会える人がこの人だった。
革レースや袋物用の端切れを分けてもらいながら
そんな御指南を頂いてた。
グリーングラスのボスは軽井沢だし
新宿なら電車で5分だったからね。
(この頃単車は持ってなかった)
もちろん原宿にGさんがいたけど、
当時20代前半の僕が会いに行くには
なんとなく覚悟みたいなもんが必要だと思って
その覚悟を決める準備をしてる時期だった。
そのわりにスタイルが違うとはいえ
もっと万能の巨匠に会ってたんだね。

流行ってなかった時代だから
流通する革も種類が少なく
ヌメ革に至ってはいい材料なんてない。
G'sがオリジナルのサドルレザーを使っていただけで
他で「サドルレザーの入手は不可能。

巨匠のお言葉を胸に
なんとかいい物にしようと追加加工をしてみたけど
当時の一般のヌメ革ではどうにも変わらない。
その普通のヌメ革は
繊維が粗くて包丁を入れて裁断すると
ザクザクした粗い音がしてすぐ切れ味を失う。
追加加工も染色が必要な上、
加脂しても大量に吸い込むばかりで
効き目が得られない。
だめだ巨匠、ヌメ革の世界では
巨匠の言葉を現実にはできそうにない。
でもそれはG'sのMさんみたいな仕上げが基準で
実現できなかっただけ。
普通の仕上げならそれなりの良いものは作れる。

後にそのG'sのMさんが言ったように
一度触っただけで忘れられなくなる革
は当時の通常で手に入るヌメではできなかった。
意地になっても仕方ない、
さっさと割り切って革業者に泣きついてみた。
革細工をやる人がいない時代に現れた若い僕に
革業者の年配の担当は親身に応えてくれた。
当時G'sしか持ってなかったサドルレザーと
同じスペックで違う商品名の革を手配してくれた。
商品名が違うだけのサドルレザーなわけだけど
ヌメという大きい枠の中にあって
当時の普通のヌメとはもちろん大きい差があった。
裁断の時の抵抗も音も違うから
いちいち包丁研がなくてももつんだよ。

インディアンの家族に迎えられて帰ってきて
G'sに週に数人でもお客さんが来るようになって
とうとうG'sの鹿革を任せられてる間に
このG's 外部から入手したサドルに合わせた
追加加工を施した作品も認められて
サドルレザーの担当も分けてもらった。
このG's外部のサドルと勝手にあみ出した追加加工
そのお蔭で当時のG'sに三者三様
ウエスタンにして最高級の革製品が並ぶことになった。

最初の巨匠の言葉はどこいっちゃったんだ?
つづく
オリジナル フィニッシュ サドルレザー pt.3 _f0072997_22571406.jpg
Double Billfold (L) photo from the store blog of Sugar Valley
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by cwdye | 2020-04-01 22:28 | introduction 紹介
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