ターコイズスタディのための
過去の記事
いつか書こうと思ってた続編というか事後談
御来訪いただいたお客さんは
聞いた方も多いエピソードだ。
ストーンカッターの間で売買された、
この "SHIT ROCK BOX TURQ." のバケツを見たとき
アズキ色の母岩に混ざるターコイズが多数混じってて
良いビズビーが取れそうな予感に期待した。
そして半年後の渡米でボクは期待通りの
目ん玉とび出るような宝石ビズビーが手に入った。
ある販売店のオーナーがクリスマスのホーリーナイトに "Holy Bisbee !!"「なんてビズビーだ‼」とストアブログに掲載してくれた。
これらの他に細かい石を集めてセットした
小ぶりなクラスターブレスレット2本もあった。
ボクはゴキゲンである。
ところがジムには問題が
過去の記事のリンクの前振りに書いた通り
「トップグレードがだいたい1,000分の1の確率で採れるとすると
ハイグレードは100分の1、ミドルグレードが50分の1
ローグレードが10分の1くらいになる。
低いグレードが多く、当然ハイグレード以上はかなり希少だ。」
まずこのバケツは
何かしらの加工処理が必要であろう
90%の貧しいグレード=チョーク を避けた、
採掘後分別前の全体のおよそ10%が入ってる。
バケツに17000g入ってたとすると、
すでに153000gのチョークが
要加工として分別、避けてある。
この加工無しで見込まれる17000gから
1/1000の宝石トップグレード 17g = 85cts
1/100のハイグレード170g= 850cts
1/50のミドルグレードが340g=1700cts
ローグレードは割愛。
(単純な割合の計算なのでマトリクスの量、状態は別)
して、このバケツは
ボクをゴキゲンにする推定約85ctsの
一番確率の低い希少なトップグレードの
宝石ビズビーが採れただけで
なんと、あろうことか
普通なら確率が高いはずの
ハイ,ミドルが僅かしか残らなかった。
たとえば、15年前 当時の末端価格で
キャラ3万円のトップグレードは85ctsで255万円
キャラ1万円のハイグレードは850ctsで850万、
キャラ5千円のミドルグレードは1700ctsで850万
単純にうまくいって 全部が問題なく、
数値通りにターコイズが採れたら
この投資によって末端2000万円近くに
なるハズかもしれなかった
通常なら量が見込める
ハイグレード、ミドルグレードの
この収入が「ブレッド&バター」
毎日の生活を支える収入になる。
高価でも少なすぎる宝石ターコイズは
ほんのボーナスに過ぎない。
ここまで話してなんだけど
実はこの「ターコイズが採れる割合」は
ターコイズ全体の大雑把な概論で
ビズビーはそこから外れることが多い。
というわけで
割れて砕けてマトリクスは粉と消えて
仕事が報われないことも多いビズビー
次号「ビズビーが嫌いだ!」(仮題)につづく
ターコイズは、
掘りに行くのも、ラフを買い取るのも
多聞に洩れず いつもギャンブルだ。
もちろんプロは見込みをたてて判断する。
ハズレもある、いろんなハズレ方がある。
それでも「確率」というのもあるから
2000万分でなくても1000万できればいい
たとえばバケツ120万で買ってたら
たとえば工賃240万かけて
640万できたことになるもんね。
つまりジェムが出ても少なすぎて赤字(後日注釈)。
ゴキゲンなボクをヨソに
この投資に失敗したジムは
バケツを売ったヤツのケツを蹴りまわした。
「オレがなんか悪いことしたなら謝るからよ~」
と逃げ回るヤツを ジムは
「テメエ2度と顔見せんじゃねえ!」と
初めて60過ぎのジジイ同士のけんかを見て
笑いがとまんなかった。
ゴキゲンなボクは手も汚さず
イイトコドリでゴメン。
それでは つづく
「ビズビーが嫌い」(仮題) !? お楽しみに
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