偽物の多いターコイズは
極端にバリューの高い5大ターコイズに集中するわけだけど、
とりわけランダーブルーは価格が高いのも手伝って偽物が多い。
知識不足や
根拠のない信頼で偽物が出回ることは
他のターコイズと代わりはない。
ランダーブルーの場合他の多くのターコイズと違って、
偽物になるものは他の鉱脈のもので、
ランダーブルー実物でのスタビライズ(安定加工)
もしくはエンハンスト(化学処理による安定加工)されたものはない。
安定加工済みを安定加工不要の
高級ナチュラル宝石と偽ることはまずない。
ただ単に多くのものが安易にチャイニーズマウンテンなどの
スパイダーウェブターコイズをランダーブルーと偽っている。
異様に見えたランダーブルーだといわれた石を追跡調査したところ
安定加工済みのナンバーエイトと判明したこともある。
またどちらかで、レッドマウンテンのハイグレードをランダーブルー
と言われて買った方がいて、見せて頂いたけど、
レッドマウンテンとしてグレードが良かったことと、
ランダーブルー実物の価格よりは安い価格で買われたということなので、
残念だけど、気持ち的な面以外では大きな損をしていないことになるのが
不幸中の幸いだろう。
「ランダーブルーは全てハイグレード」という人もいる。
ランダーブルーはその極端な希少性からそう解釈したい気持ちも
わからなくもないけど、実際にはグレードはあり、
ランダーブルーらしさが薄れて見えるものは評価を落とすことになる。
当然評価額も落ちることになるけど、それでも高価なのがランダーブルー
苦労して払う額になるわりに何の反応も得られないものになり得る。
文字通り現金な話になる。
90%の普通のターコイズは安定加工が必要。
無添加、加工無しで使える残りの
10%をグレード分けすると
約1%がハイグレード以上になる。
ネイティブスピリットではそのハイグレードだけを
よく言われる「ジェム」でもなく 敢えて「宝石」と呼ぶ。
この
「宝石」ということば、気にして欲しい。
「宝石」の定義の重要なものに
「相対的な希少性」がある。
つまり相対的に他人が見ても「稀少な個体だ」と
「見てすぐにわかるもの」でないと、その金額に見合わないことになる。
その鉱脈の特徴を強く表せば表すほど、高評価を得て評価額も高くなる。
それは希少性とぴったりくっついて比例していて
しかも正比例じゃない。
デリケートな説明の時に「ジェム」という単語を使わないのは
「ジェムグレード」という言い方が簡単に使われがちだからだ。
ちょうどランダーブルーに関することで、
販売店から案内を求められて、答えたことをきっかけにして
せっかく書き出してはみたものの、やっぱり先が相当長くなりそうだから
中途半端だけど、続きはまたの機会があれば。
一応お断りしておくと、
ここで言う偽物のターコイズとは
「違う鉱脈のものを偽って」もしくは
「一般市場でいう安価な安定加工済みのナチュラル」が
投資対象になり得る
「安定加工不要の高品質のナチュラル」=
「宝石」の価格で売られるモノのことだ。
僕が直にお客様に求められて話す内容も、
初対面の初日の入門編だけで軽く2時間はかかる。
しかも鉱脈についてとなればその内容は中、上級編に入ることだろう。
入門レベルでターコイズという石について
初級レベルでアメリカでのターコイズとインディアンジュエリー
中級レベルでターコイズの鉱脈、種類の話
上級レベルでターコイズの各鉱脈のグレードの話
順不同で前後織り交ぜながら話すことになるので、
お客様が買うのは3ヶ月、半年、1年先になることもざらだ。
世の中にあるターコイズの中のほんの1パーセントに満たないほどの
高級グレードの宝石ターコイズを扱っている。
当然、たくさん売るほどもないし、
すぐに買わずに時間をかけて楽しむことをお勧めする。
やっかいな世界のことだ、
見るだけで楽しむのもそれはそれでひとつだと思う。
WORLD FAMOUS NATIVE SPIRIT CLASSIC OLD BISBEE COLLECTION
Photo by Tokahe-Naji-Winn / Naoko Ogla (C)
2007年として公式ウェブサイトのギャラリーページに数枚の写真が揚がってる。