人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

still remain the same / NATIVE SPIRIT (R)

native.exblog.jp

悪魔の塔

Devil's Towerのことだ。
ワイオミングの東、
北シャイアンの地、ラコタの地にも近いところにある。

スピルバーグの「未知との遭遇」に
シンボリックな山としてロケ地に選ばれて有名になった。
山というより、正しくは隆起した岩の突起だ。
確かに平原から突き出た、縦溝を彫った塔のような、
その形は異様とも言える。
だからって「悪魔の塔」って名付けるのはどうよ?

でもこういうの、日本でも
「鬼のXXXX」てな具合に、同じような命名をしてるんだね。
ただ擁護すると、「鬼」は悪者とは限らない。
人間が例えた精霊の一種でもあり、
人種を表現する名称でもあったはずだ。
ホピ族で言えばカチーナの一種とも共通する。
それに対して「悪魔」、これは「絶対悪」だ。

とにかく、大自然の不思議な産物を見るとき、
人は理解し難いものに対して、
神や化け物の存在を感じたくなるらしい。
キリスト教文化を根底に持つアメリカ大陸の入植者は
この大自然の産物に「悪魔の塔」と名付けてしまった。

10年近く前になるが、
このデビルズタワーを見てからラコタの地に入った。
ラコタの兄弟に再会したときの話だ。

デビルズタワーを見てきたことを
話題にすると、こう返ってきた。
「悪魔の塔なんて、ひどい名前だと思わないか?
あれはシャイアンの聖地だ。
シャイアンはあれを「大熊がひっかいた山」、
俺達ラコタは「半分の灰色のバイソンの角」
そういう風に呼ぶんだ。
やつらなんでも化け物のせいにしたがる。」

ほんとだね。
文明を生きてきた人間は臆病になるらしい、
自然を遠ざけてきた結果の表れだろうね。

直接人間を襲うことがなくても、
家畜を襲う生き物、夜に活動する生き物、
悪魔扱いされる動物のなんと多いこと。
一番恐ろしい動物はどう考えても僕ら人間だ。
何しろ「知らない」「知ろうとしない」だけで、
恐れるんだから。
恐れを知っている人は臆病じゃない。。
知らずに恐れるのは臆病で、その臆病は卑怯だ。
それで「誰かのせい」にしたがる。
悪者がいてくれれば納得できるんだ。
話がそれる前にやめよう。

「そこから差別が始まる」と言ったのは
たしかマルコムX、だったと思う。

それたテーマも
機会があればまたいつか。
by cwdye | 2007-04-11 03:01 | culture 文化
<< マルコムX? / ジョーク Chizzieさん / インデ... >>