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still remain the same / NATIVE SPIRIT (R)

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ネーミングファーザー

僕のチャングリシカワカンというラコタ名前のネーミングファーザー
つまり名付け親のミラバシネは
有名な戦士、チーフの直系5代目だ。
アメリカ合衆国と戦った3代前の世代は80年代まで存命だった人がいた。
まるで戦国時代の絵巻のような話を生々しく語ることができるのは、
そんな遠くない昔に起こったことでもあるからだ。
何しろ「リトルビッグホーンの戦い」や「ウンデッドニーの虐殺」を
生き延びた本人たちから聞いてるんだから。

前にも触れたように現在のミラパシネはアーティストだ。
石を使った彫刻、絵画、壁画、
どれも大きいものばかりでなかなか持ち帰れない。
彫刻の腕があるんだからジュエリーも作ってみたらと提案したけど、
「あれはナバホのすることだ」と取り合ってくれなかった。
でも、トラディショナルなインディアンの文化の中では
ここ100年くらいの新しい習慣ということになるし、
その新しい習慣のアートもインタートライバルになっていく。
ゆっくり少しずつ勧め続けてみようと思ってる。

平原の丘にある家のバックヤードというにはあまりに広い家の外
木を組んで作った屋根に米軍のカモフラージュネットをかけたシェイドの下が、
ミラパシネのアトリエだ。
たくさんの子供や孫たちが笑い、走り回り、
その世話に追われながら日がな1日、石を彫っている。

毎年、僕らが訪ねると、
子供たちはうちのワンブリとキミミラを連れ出し、
トカへはその野生児たちの笑顔を写真におさめる。
ミラパシネはいつできるともわからない
彫刻の手を止めてなんとなく話始める。
いつのまにか話は世間話から昔話に変わり、
まるで映画の世界にひきこまれていくようだ。
ただし、それは映画より生々しく、リアリティに満ちている。
かっこいい英雄やその武勇伝より、
生き抜くことに必死だった人たちの物語だ。

ネーミングファーザー_f0072997_218698.jpg

Plains Gallery 撮影 Tokahe-Naji-Winn 小倉直子©
彫刻と絵画がミラパシネの作品

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