12年くらい前のある日、
朝の7時ごろ電話が鳴った。
「おはようっ!! 大ちゃんさ、PAN乗れよ!!」
と、いきなり元気な声、
世話になってる友達のエンジニアからの電話だった。
僕は「うん!!」と即答した。
SHOVELのFLHをひんむいてストリップにしたくらいで、
改造する前からチョッパー化計画を頓挫させていた僕は、
やっぱり古いリジッドフレームのバイクに
乗り換える方向で考えがまとまってきてたんだ。
それまで、その友達に
PANが欲しくなった、なんて匂わせたこともなかった。
その頃、アメリカに行ってた友達が
帰ってくる予定だった日の真夜中
「GDさん、向こうで程度いいPAN見つけたなんて、
電話よこしたりしないかな?」
自分の中だけでPANに乗り換えようと決めた夜、
そんな都合いい希望が頭をよぎりながら眠りについた
次の朝のその電話だった。
時々ある、虫の知らせのような偶然。
これを僕(僕らは)は偶然とは考えない。
機が熟して「その時が来た」だけなんだ。
だから、その電話で即答、即決だった。
でも実際にPANを手にするまで、
その後1年半くらいはかかったと思う。
PAN、SHOVEL・・・ =ハーレーのエンジン形式の愛称
PAN =1950年代中心
SHOVEL =1970年代中心
リジッドフレーム =リアにサスペンションがない旧式なフレーム