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still remain the same / NATIVE SPIRIT (R)

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ランダーブルーが好き? /ターコイズ

これは宝石ターコイズに関するエピソード程度の話で
明確に参考になる話じゃない。
イントロも本題も共に長くなるけれど、
ノートリートメントの宝石ターコイズというデリケートな物
中でもランダーブルーという希少種にまつわる話だから、
話が回り道しようが重複しようが丁寧に書きたいので悪しからず。

大雑把に言うしかない約6500万年以上の気の遠くなるような時間の結果、
僅かな人間の歴史で、人間が文明の建設と侵略を繰り返し、
そこら中に穴を掘って見つけ出した様々な鉱物のひとつターコイズ、
その中で現在スタビライズドもエンハンストもされる必要がない程に
硬化するまで育つことができて
ノートリートメントでカットするだけで綺麗な色を見せ、
更にその鉱脈の特徴のベストな見た目を備えたターコイズは
同じ名前の鉱脈のターコイズの中でもさらに数が少なくなると
前にも少し触れた。

なにしろ希少なものだから
アメリカで量を扱うターコイズの業者はまず取り扱えない。
収集家であって売買もするいわばプロのコレクターでないと
まず持っていることも、また流通させることすら見込めないと思ってもいい。
インターネットで情報を発信してる相手となると、また話はややこしくなる。
早い話、僕にとってはインターネットも使いものにならないという結論で
それも前に触れた。(インターネット上のターコイズに関しては別な機会に)
やっとの思いで
実物の上質なものを保有する収集家に会ってコレクションを
見せてもらっても、
それが売り物であることがまた少ない。
ところが日本には、それを売る人がいる。
グリーングラスさんとスカイストーンさんにはそんなターコイズがある。
もちろんネイティブスピリットにも。
うちにもなんて言っても、うちだけで
アメリカに20年通っても、一般の店頭で見ることはできない量がある。
それでプロのコレクターの端くれである僕にとっても
展示販売されている極上のターコイズを一度に多数見るには、
自分のところ以外、軽井沢しかない。
だから、できればせめて毎年、年に一回は行って、
見たいと思ってるけど、なかなか行く時間もとれない。
お互い立場が同じで、仕事にできないのが残念だ。
いつかいい物があれば僕自身も客になりたいとも思ってる。
いや、いままでいくつもいい物はあった。
でもそれらはまずお客さんのところへ行くべきものなんだ。
同業のプロとして、控えるべきだとも思うし、金額もかさばる。
でも、高くはないんだ。
値段がつけられて、売られていて、手に入れることができる、
それだけですごいことなんだ。
他人様の売り物だったとしてもいい物を見られただけで嬉しくなって、
お客様に勧めたくなる、そんな心境なんだな。

そんなわけでうちに来るお客様には、
ネイティブスピリットのターコイズコレクションを扱う他の販売店
例えば上野のスラブ・ネストさんなどに限らず、
グリーングラスさんやスカイストーンさんのターコイズも
一見の価値があることをお伝えする。
逆に他のお店からもネイティブスピリットを紹介いただけることもあって
本当にありがたい。

先日の軽井沢「出張」の時も
グリーングラスさんのターコイズコレクションを見せていただいて
楽しんできたわけだけど、
今回、スカイストーンさんでは
ほとんど挨拶するだけで終わってしまったのが惜しまれる。
3点見せてもらったものがあったんだけど
このたった3点がまた、いずれも唸らずにはいられない
素晴らしいランダーブルーだった。

「やっぱりランダーブルー好きなんだ」
小寺くんが肩越しに笑いながら言う。
ここしばらく毎回言われてるフレーズで、きっとネタと言ってもいい。
その度に、そういわれるとなんとなく悔しい気がして、
「そんなことないよ、他に好きなターコイズはある」
なんて抵抗してはみるものの、
次に見てため息つくのもまたランダーブルーだったり
それでまたも同じようにつっこまれる、と。
グリーングラスさんにしろ、スカイストーンさんにしろネイティブスピリットも
それぞれに様々なターコイズの高級な宝石グレードを持ってる。
ランダーブルーも苦労しながらも揃えている。
でも実はコレクターにとっては
簡単に言い切ることはできないけど
ランダーブルーよりも入手困難で腕の見せ所となる石があるはずだ。
ランダーブルーの希少性は明らかで、入手困難なことも明らか、
でも、実はお金では解決できない部分がターコイズの世界にはある。
まぁ、とにかく細かいことは直にお話しするとして。

今までは「ランダーブルー好きなんだ」って言われて
なんとなく悔しかったんだけど、
今回は
「もう否定しない、素直に認めるよ。やっぱりランダーブルーは好きだ」
と言葉通り素直に応えてきた。
残念ながらそれ以上時間がなくて
すぐに別れの挨拶になってしまったんだけど
実はこれには勿論、それ相応の訳がある。

ネイティブスピリットのサイトは
アメリカでも比較的見られているようで、海外からのアクセスも多い。
コレクターやアーティストがうちのサイトの写真を見るように
知人に紹介してくれたりもしてる。
サイトを見たコレクターが共通の友人を突き止めて
友人を介してメッセージをくれたり、直接メールをくれたりすることもある。
同時に実はサイトにある写真は偽物を販売する者を威圧する意味も、
求めるグレードを主張しているという意味もある。
そんな中、ターコイズコレクターでもある中西部の鉱物学者が友人を介して、
うちのサイトで見られるランダーブルーコレクションのひとつについて、
売るとしたら価格は? 尋ねてきた。
聞かれた現物については売る予定がなかったので
だいたいの参考価格だけ伝えた。
売り物でなくて申し訳なかったが、
鉱物学者でターコイズに興味があるとは心強いことこの上ない、
是非いつかお会いして話をしたいと伝えた。
その時、何故その鉱物学者がランダーブルーを好むかを伝えてくれた。
ランダーブルーには他のターコイズにない明確な特徴があるという。
ここでそれを明確には書かないが、
そのランダーブルーが持つ特徴とは、
ターコイズのみならず、総ての鉱物の中でも稀な
珍しい成分形成が見られるからということだった。

89年にターコイズコレクションを始めてから
96年頃までに僕の目は鍛えられて
その頃以来ランダーブルーとそっくりな
ローンマウンテンのタイトウェブも、レッドマウンテンのタイトウェブも
ランダーブルーと見間違えたことはない。
匂いのような違いを目で嗅ぎ取れる気がするんだ。
「気がする」としか言えないけれど、正解率は今のところ100%、
その目にはちょっと自信がある。
もしかしたらその鉱物学者の言うランダーブルーが含む
唯一無二の特徴的な形成物を目が嗅ぎ取ってるのかもしれない。
それ以来、やっぱりランダーブルーには魅力があることを
素直に認めることにしたんだ。
ランダーブルー ターコイズ コレクション(2003年頃)
撮影 Tokahe-Naji-Winn 小倉直子©
ランダーブルーが好き? /ターコイズ_f0072997_301642.jpg

ランダーブルーは大好きな石だけど、
僕自身はビズビー・ガイだと思うよ。
ビズビーに自信がある。

ターコイズはトラブルだけど
本物に行き着ければものすごく楽しい。

参考;ターコイズの予備知識
グレードの話
スモーキービズビー/例
グレード/例・モレンシ
「宝石ターコイズ」/用語説明/言葉の定義 1
無添加ターコイズ /用語説明/ 言葉の定義 2
ハイグレード・ターコイズ/ネイティブスピリット/グレード+硬度
ターコイズの色と光
ターコイズの色と光 次世代
TURQUOISE by ジョーダンロウリー/参考書籍
その他カテゴリreference 参考

NATIVE SPIRIT+

all about Turquoise/ジョーダンロウリー
ランダーブルー/宝石グレード/例
ランダーブルーが好き?/参考エピソード
真贋例/偽ランダーブルーの話
百聞は一見にしかず/見方
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by cwdye | 2007-06-30 02:41 | reference 参考
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