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still remain the same / NATIVE SPIRIT (R)

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medicine pt2

ただの滞在記が続いてるからインディアンらしい話を挟もう。
今朝カフェで朝食をとりながら聞いたナバホのファーザー
フランクリンの話だ。

「○○の木の根は○○に効いて
○○の花は○○に効くんだよ。」
メディスン、この時は薬草についての話になった。
「若い頃は生まれ育ったスプリングスで
野生馬を追ってトレインしたもんだ。
月に7頭の割合でトレインしたから大したもんだろう。
若いもんが何人かで野生馬を囲いに追い込んで
どんどん狭くしていくんだ。
馬は興奮してお互いに争い噛み付いたりして暴れるんだけど
だんだん狭くなると身動きが取れなくなって諦めるんだな。
その暴れられなくなった馬の背を渡って歩くんだが
噛み付こうとしても動けないから避けられるんだ。
そうやって馬の背に乗りながら
どの馬がトレインし易いか選ぶんだよ。
ある時そうやって選んだ馬が開放した瞬間に走り出してな
木の枝に激突しないようにしがみ付いたんだけど
結局振り落とされて、首から背骨、腰までひどく痛めた。
病院に運び込まれて肩と首と脚を引っ張って浮いた状態にされた、
引っ張ったり緩めたりを繰り返して3日間は痛みで眠れなかった。
その後も痛みは取れなくて憂鬱な日が続いていたら、
親戚がメディスンマンを紹介してくれたんだな。」

(ここでそのメディスンの解説が入ったけど覚えきれてない。
もっとも真似する人がいたら危険だから書かないだろうけど。)

「そうして作ったメディスンを熱く熱した石で
痛む所に押し付けていったんだ。
そうしたら尾骶骨からブーン、ブーン、ブーン、
背骨から首まで元に戻っていくのを感じて
終わった後にはすっきり軽くなって痛みも消えたよ。
澄み切きった気持ちで純粋に心から
治りたいという祈り治したいという強い意志があれば
私等にはメディスンが一番効くことも多い。
若い頃のそんな経験や、
それ以外にもいろんな機会があって
たくさんの部族と交流してメディスンを学んできた。

遠い所ではイヌイットのメディスンマンにも会いに行ったな。
彼は体の上から手を当てて神経に作用を与える方法だったんだけど
その時に行ったインディアンには効かなかったんだよ、
何故なら、アメリカ人(アメリカインディアン)は太りすぎだったから。」

大笑いする僕を見てファーザーも大笑いした。
見事なオチがついてた。

「そうやって私はメディスンマンに多くを学んで
いくつものメディスンを使えるようになった。
私をメディスンマンと呼びたがる人もいるけど、
私は違う、彼らは特別だ。
知恵と経験の量が比べ物にならないほど違う。
私がメディスンマンと同じように見られてしまうのは
それだけメディスンマンや伝統的な人が
減ったっていうことなんだよ。
私等が最後のインディアンなのかも知れないな。」

そういうファーザーも
確かな歳を聞いたことがないけど80歳に近いはずだ。
多くのアメリカ人、アメリカインディアンと同じように
心臓を患って、健康とは言えない。
息子達はナバホを話せず、
ファーザーほどに儀式を継承できはしない。

この世代のトラディショナルな
このファーザーに恵まれたことは幸運だ。

このファーザーの話の中で大事な言い回しがあった。
澄み切きった気持ちで純粋に心から
治りたいという祈り治したいという強い意志があれば
私等にはメディスンが一番よく効くことも多い。」
と訳したんだけど、
この通りファーザーの言葉に受動的な表現が使われていなかったことだ。
「治してクダサイ」「教えてクダサイ」
それでは祈りにならないっていうことなんだ。
スピリチュアルとかが流行ってるそうだけど
つけこまれないようにしないといけない
今後のテーマになる大事な点だ。

このブログのカテゴリculture,episode以外の参考、関連
メディスン
儀式に出るまで
culture & episode
medicine pt2_f0072997_15184029.jpg

ファーザーがプレゼントしてくれたボロタイ
昔自分で掘った名も無いターコイズをスタビライズド加工して
インレイに仕上げた。
ファーザーはここ15年インレイがマイブームだ。

by cwdye | 2008-02-01 14:42 | culture 文化
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