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still remain the same / NATIVE SPIRIT (R)

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ディネ トラディション

8月16日の記事Dinehの続き

8月14日
ナバホのマザー・メアリーは親類のために四日四晩の儀式をする。
その準備をして夜にはリザベーションの奥の奥地に発つ予定だ。
子供が大きくなって理解できるようになってたら
僕らも祈りに行きたいところだけど
まだ時期じゃない。
僕らは出かける前の準備を手伝うことでも
祈りに参加することができる。


メディスンを用意するために出かけることになった。
娘達は初めてピックアップトラックの荷台に乗っておおはしゃぎだった。
トカへもカメラを持ったまま同行したけど、
この時点で儀式は始まっているから、カメラの出番はなくなる。
ファーザー・フランクリンと従兄弟のナバホと
砂漠の中を走ってメディスンになる木を探す。
どれも同じに見えるんだけど、ちゃんと見分けてるんだな。
砂漠の中に出来た轍を逸れて少し入ったところ
ファーザーは適当な木を見つけて車を停めた。
代々受け継がれてきた儀式用のスクワッシュの柄杓の壊れたものを
捧げものに持ってきた。
メディスンに限らず
マザーアースから何かを「頂くとき」は同時に
マザーアースに何かを「返すとき」でもある。
代々家族の祈りを助けてきたそれを大地に「返す時」になった。
はしゃいでいたワンブリとキミミラもトカへと僕といっしょに
マザーアースに膝をついて触れて
その繋がりに祈った。
祈りの言葉はナバホ語で僕らにはわからない。
ただ、僕らをそこにあらしめる繋がりは確実にある。
それを思うだけで祈りになる。
言葉の祈りが終わると
僕らは立ち上がって木の一部を頂いた。
ワンブリもキミミラ小さな木の枝をトラックの荷台まで運ぶのを手伝った。
彼女たちにはまだわからないだろうけど
それを手伝って運んでいる行動さえも祈りだ。
ファーザー・フランクリンと従兄弟と僕が
枝を折ったり、刃物を当てることも祈りなんだ。

砂漠の中にあるランチの小屋に帰ると
それを加工するためにマザーメアリーが
ホーガンの扉を開けた。
19年前、僕が最初のビジョンを得たホーガンだ。
火を炊いてメディスンを作る準備だ。
メディスンの純度を保つために
種火を熾すにも余計なものは使えない、
熱い砂漠の日中、ホーガンの中で火を絶やさないようにするのは
短時間でも体力を使った気がする。
あとは熾火のまま放置して
切ってきた枝葉が綺麗な灰になるのを待つ。
ほんの僅かでも儀式の準備に参加できてよかった。

家族と別れたとき
トカへはマザー・メアリーの手伝いで作ったナバホ茶の他に
この日作ったメディスンを分けてもらってきた。
米といっしょに炊いてくれるそうだ。
有難い、この日の祈りはしばらく続くことになる。
medicine pt2
メディスン
儀式に出るまで
culture & episode
Dineh
by cwdye | 2008-09-02 08:24 | culture 文化
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