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前回までのお話と参考は以下のリンクで
ユーバッドアス、ブロー / イントロ
ユーバッドアス、ブロー
続 ユーバッドアス、ブロー
ツールフォーリザベーションライフ
pull over to the right
ユーソーナイス、ブラザー
FBIとティラノザウルス
You Jack Ass, bro.
「ところであれからチャーリーはどうした?」
僕ら家族とラコタのブラザー ボビー一家とは
街のスーパーの駐車場で待ち合わせをして落ち合った。
ボビー一家が滞在する
スタージスに近いラコタの聖地にある
ローズバッド*ラコタのキャンプ地について
食事を済ませた後、ロッジの居間でくつろぎながら
去年の夏のチャーリーの一件のその後を聞いた。
チャーリーのひどく不運な話に絶句した僕は
ボビーに恐々と聞いたんだ。
ところがボビーの顔は一瞬にして明るくなって
声のトーンも変わった。
なんだか楽しそうな話らしい。
「あれからしばらくおとなしくして
ママ*の家にいてな
タッドがいる
地下室に潜伏しながら、
ビールとワインを自分で作って飲み続けたんだ。
ところがしばらくしてからあの件で警察がチャーリーを捜し始めたから
チャーリーは
ローズバッド*に逃げた。
そこでまた潜伏して意識不明になるまで飲み続けてぶったおれた。
それで遥か東の
スーフォールズ*の病院にかつぎこまれた。
そのころ捜索は
FBIに引き継がれてて
武装したFBIが留守中の
ママ*の家に来た。
当然、留守番は
タッドだけ。
サブマシンガンを突きつけられて
「チャーリーを出せ!」って怒鳴られたタッドは
玄関の前で手を上げて固まったまま
左手を肩の高さでまっすぐ東を指差して、
「スーフォールズ!!」
・・・って言ったらしい」
ここまで話してボビーは吹き出すし、
僕も大笑いしながら言った、
「それって、もしかしたら
初めてタッドが正しい行き先を言えた時になったんじゃないか?」
ボビーも大笑いしたまま
「そうなんだよ! タッドはいつも
誰はハワイで、誰がタヒチでバケーションだって
夢みたいなことばっかり言ってるからな、
マシンガン向けられて初めて正しい場所が言えたんだよ!」
逃亡と潜伏を繰り返しながら
性懲りもなく意識不明になるまで飲み続けた挙句、
いつも家族の正しい居所を言えないタッドに
収容先の病院をあっさりチクられて
本人の物語のパンチライン(オチ)をタッドに奪われたチャーリーは・・・
「それからチャーリーはスーフォールズの病院でFBIに確保されて、
ジェイルに戻されて4ヶ月、クリーンになって出てきて元気にしてるよ」
「まさか、今だにまだ飲んでる?」
「ああ、相変わらず飲んでるさ!」
性懲りもないチャーリーは
バッド・アス(ワル)から
ジャック・アス(大馬鹿様)の称号に代えよう。
洒落にならないトラブルと不幸に見舞われながら
ジャック・アス チャーリーはめげてない。
だからアルコールの問題から立ち直れないんだけど、
きっとチャーリーは笑い飛ばしてくれる。
今まで続いたチャーリーの切ない物語は
クリスマスの夜にオチをつけて一段落する。
来年もジャック・アスで笑わせてくれるといいな。
ママ*=グランドマザー・ドナ
ローズバッド*=パインリッジの東に接するローズバッド・ラコタのリザベーション
スーフォールズ*=サウスダコタ州の南西部に位置するパインリッジ・ラコタのリザベーション、
その反対側、サウスダコタ州東南部にある都市。
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